● 担子菌抽出液の植物に対する害に関する栽培試験 ●
            〜(財)日本肥糧検定協会による試験結果〜

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試験の目的  
   
担子菌抽出液の施用による、こまつなの発芽並びに発芽後の生育へ
の支障の有無及びその程度を知るため、幼植物試験を実施する。
1 試験の方法
  担子菌抽出液の所定希釈液に浸漬処理したこまつなの種子をは種し、担子菌抽
 出液の所定希釈液を灌水とともに施用した後、同希釈液を葉面散布し、発芽並び
 に発芽後の生育状態等を幼植物試験により調査する。

1)試験の実施条件、試験区設定等
 ア、供試土壌の土性、沖積土又は洪積土の別等
土性 沖積土又は
洪積土の別
pH 交換
酸度

y1
電気伝導率
(EC)
mS/cm
陽イオン交換容量
CEC 乾土
meq/100g
容積重
風乾土

g/500ml
最大容水量
乾土当たり
  重量%
L 洪積土 5.6 0.4 0.08 33.6 375 136
     注)表層腐植質黒ボク土(米神統、八街畑土壌)

 イ、供試作物:こまつな
 
 ウ、試験区等
試験区 三要素 種子処理 施用方法
1回目灌水施用 2回目葉面散布





1000倍液区

500倍液区

250倍液

施肥

施肥

施肥
1000倍液
 浸漬3時間
500倍液
 浸漬3時間
250倍液
 浸漬3時間
  1000倍液
300l/10a(3ml/ポット)
  500倍液
300l/10a(3ml/ポット)
  250倍液
300l/10a(3ml/ポット)
1000倍液

500倍液

250倍液

三要素区 施肥 水浸漬3時間
無肥料区 無施肥   無処理
 注)@ノイバウエルポット(a/10,000)を使用
    A施用方法:第1回目の灌水施用は、土壌水分調節の際の水と合わせて施用。
            第2回目の葉面散布施用は、それぞれの希釈液3mlに、水を20
           ml加えて、小型噴霧器を使用して葉の表裏両面に満遍なく散布。

 エ 栽培の経過(手順期日)
   ポットへの土壌充填  :8月25日 栽培施設:ファイロン温室
  施肥・施用      :8月25日 土壌充填量:風乾土400g/ポット
  水分調節       :8月25日
  は 種        :8月25日 20粒/ポット
  収量調査       :8月25日


2 試験結果
  発芽は、は種の翌日に開始し、各試験区間に発芽開始日の差は見られなかった。
 発芽後の生育においても、担子菌抽出液の各区とも順調な生育を示し、希釈液散
 布後の葉面に薬害等の異常もなく、また試験生育期間中、有害物質によると考え
 られる異常症状は認められなかった。
  次に、発芽及び生育調査成績並びに発芽及び生育状態の写真を示す。
試験区 発芽率 生育調査成績
8/27 8/28 8/29 8/30 9/11
葉長cm 葉長cm 生体重g 同左指数






1000倍 1
 液区 2
   平均
95
95
95
100
100
100
100
100
100
4.5
5.0
4.8
14.0
14.0
14.0
10.8
10.3
10.6


104
 500倍 1
 液区 2
   平均
95
100
98
95
100
98
100
100
100
5.0
5.0
5.0
14.0
14.5
14.3
10.4
11.0
10.7


105
 250倍 1
 液区 2
   平均
95
90
93
100
100
100
100
100
100
4.5
5.0
4.8
14.5
14.5
14.5
10.0
10.6
10.3


101
三要素区 1
       2
      平均
95
90
93
100
100
100
100
100
100
5.0
4.5
4.8
14.0
14.0
14.0
10.1
10.3
10.2


(100)
無肥料区 1
       2
      平均
95
90
93
100
100
100
100
100
100
4.0
4.0
4.0
9.5
9.5
9.5
5.5
6.1
5.8


57

発芽及び生育状態写真
8月22日撮影
9月5日撮影
3 考察
 担子菌抽出液の土壌施用及び葉面散布によるこまつなの発芽並びに発芽後の
生育への支障の有無及びその程度を知るため、幼植物試験を実施して次の結果
を得た。
試験の結果:担子菌抽出液の250倍、500倍及び1,000倍の各希釈液による種子
       浸漬したこまつなの発芽は、水浸漬によるものと同等の成績を示した。
        また上記各希釈液の灌水施用及び葉面散布による発芽後の生育は、
       対照の三要素によるものと同等の成績であって、有害物によると考え
       られる植物の生育上の異常症状は認められなかった。

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